新規顧客の獲得や販路の拡大に、営業代行を活用する企業が増えてきています。営業代行会社を探している時に、比較対象として販売代理店があがってくることも多いのではないでしょうか。類似した機能も多くありますが、お願いできる範囲が異なるため注意が必要です。
- 営業代行と販売代理店って何が違うのか分からない
- 自社にはどちらが合っているか知りたい
といった方に向けて、本記事では営業代行と販売代理店の違いや特徴、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
💡 この記事でわかること
- 1. 営業代行と販売代理店の違い
- 2. 営業代行の特徴
- 2.1 営業代行の仕組み
- 2.2 営業代行のメリット
- 2.3 営業代行のデメリット
- 3. 販売代理店の特徴
- 3.1 販売代理店の仕組み
- 3.2 販売代理店のメリット
- 3.3 販売代理店のデメリット
- 4. 営業代行と販売代理店を選ぶポイント
- ポイント①|販売戦略に磨きをかけるなら営業代行
- ポイント②|営業ノウハウを社内に浸透させるなら内製化に対応した営業代行
- ポイント③|営業全般を依頼するなら販売代理店
- まとめ
1. 営業代行と販売代理店の違い
営業代行と販売代理店は類似した機能がありますが、業務をお願いできる範囲に大きな違いがあります。 営業代行は商品やサービスを販売するために、アポ獲得から一部のクロージングまでをおこないます。さらに、商品が売れるように販売戦略の立案も含めて依頼することができます。 販売代理店は、商品やサービスの販売からアフターフォローまでの業務をおこなってくれます。しかし、複数の商材を取り扱っていることが大半で、基本的に、個別の商品やサービスの販売戦略の立案は行わないケースが多いのです。 さらに、営業代行は依頼をしてから短期間での対応できますが、販売代理店は販売業務を依頼できる代理店探しが必要です。代理店募集サイトなどで代理店を探してから依頼していくため、営業代行に比べると開始期間は長くなるケースが多いです。
営業代行 | 販売代理店 | |
営業社員の育成 | 不要 | 不要 |
販売戦略立案 | 可能 | 不可 |
ターゲットリスト | 提供可能 | 提供可能 |
商談 | 可能 | 可能 |
クロージング | 可能 | 可能 |
営業開始までにかかる期間 | 短期間で対応が可能 | 代理店探しが必要なため時間がかかる場合がある |
2. 営業代行の特徴
ここからは、営業代行の仕組みやメリット、デメリットについて解説していきます。
2.1 営業代行の仕組み
営業代行は、商品やサービスの販売を目的とした営業を代行してくれるサービスです。 営業代行を依頼する際には、代行会社と業務委託契約書を締結する必要があります。基本的には成果に対して報酬を支払いますが、市場調査などの成果としてわかりにくい部分については固定報酬として支払いをするのが一般的です。 業務内容は商品やサービスの営業活動に関するほとんどの業務を依頼できます。依頼できる業務内容に関しては代行会社によって違いがありますが、マーケティング支援や販売戦略の立案などにも対応することができます。そのため、営業代行を活用してどのような成果をあげたいのかを明確にしておく必要があります。
2.2 営業代行のメリット
営業代行を活用するメリットは、時間やコストを掛けずに、スキルの高い営業スタッフによって営業活動ができることです。 自社で社員を育成していく場合には、教育や研修などにコストや時間が必要です。しかし、営業代行を活用すると、スキルの高い即戦力の人材に、すぐにでも業務を担ってもらえるため、コストや時間を削減できます。 さらに、福利厚生費用の支払いは必要ないため、自社で社員を雇うのに比べるとコストをかなり抑えられるでしょう。 また、自社で苦手としている分野をおぎなってもらうこともできます。たとえば、自社でアポ獲得を苦手としている場合には、営業代行に依頼すると苦手分野をサポートしてもらえます。自社に不足している部分を営業代行ですぐにおぎなえるので、短期間での売上アップが期待できます。
2.3 営業代行のデメリット
営業代行のデメリットは、営業の知識やスキルを社内に浸透できないことがあげられます。 営業代行では、営業手法やノウハウを公開していないことも多く、自社社員の営業に関する知識やスキル向上に還元することは期待できません。そのため、継続した売上を出していくためには、営業代行を恒久的に活用する必要がでてきます。 ただし、営業手法やノウハウの詳細をオープンにし、内製化を支援している会社もあります。将来的な内製化も視野に入れている場合は、営業代行会社を選定する際に、しっかりと確認するようにしましょう。
3. 販売代理店の特徴
次は販売代理店の仕組みやメリット、デメリットについて解説していきます。
3.1 販売代理店の仕組み
販売代理店は、自社の商品やサービスの販売を代わりにおこなってくれる会社のことです。 「自社の代わりに商品やサービスを販売してほしい」という場合に、代理店を探して契約するだけで販売業務を依頼できます。 代理店と契約するだけで、商談や契約、アフタフォローだけでなく、売上金の回収などもおこなってもらえるので自社のほとんどの業務が依頼可能です。また、販売代理店は商品やサービスを売った際の売上金から手数料がはいる仕組みになっています。そのため、売れるためのツールや仕組みが構築されていないと、販売代理店では扱ってもらえない場合があるので注意しましょう。
3.2 販売代理店のメリット
販売代理店の最大のメリットは、代理店を探して契約するだけで、エリアやターゲットなどの営業範囲を拡大できることです。例えば、通常だと営業エリアを拡大するには、新しく支社を構えたり、新たに広告・宣伝活動をしなければなりません。特に首都近郊となると、費用も高額になってしまうケースも多いです。また、そのための人件費も必要になってきます。しかし、販売代理店であれば、こういった費用がかからないので容易に営業エリアの拡大が可能となります。 また、近年では電話やネットなどの営業販売が主流になりつつありますが、販売代理店では対面での営業活動も可能です。そのため、対面での営業活動をメインとしていきたい場合にもおすすめです。
3.3 販売代理店のデメリット
販売代理店のデメリットとしては、安定して売上を得られない可能性があることです。販売代理店では、商品やサービスが売れた際に手数料がはいる仕組みになっており、売りやすいものを中心に販売する傾向があります。自社の商品やサービスよりも他社に魅力的な商品やサービスがあれば、乗り換えられてしまう可能性もあります。 販売代理店に「この商品は売れない」と判断されてしまえば、契約を破棄されるケースもあります。
4. 営業代行と販売代理店を選ぶポイント
ここからは、営業代行と販売代理店を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
ポイント①|販売戦略に磨きをかけるなら営業代行
商品やサービスが売れる仕組み作りから依頼したい場合は、営業代行を選びましょう。商品やサービスの販売には、販売戦略やマーケティングは必須条件であり、基盤ができていないと成果を上げるのは難しくなってしまいます。営業代行は販売戦略の立案やマーケットリサーチも契約によっては対応可能なため、販売戦略から契約までの幅広い業務を任せられます。 自社のマーケティングノウハウが不足している場合や販売戦略に磨きをかけたい場合には、おすすめのサービスです。また、自社に不足しているだけを部分を補ってもらいたい場合にも営業代行は最適といえるでしょう。
ポイント②|営業ノウハウを社内に浸透させるなら内製化に対応した営業代行
営業ノウハウを社内に浸透させて、将来的には自社で営業をしていきたいなら、内製化に対応した営業代行を選びましょう。営業代行を活用していると自社に営業の知識や技術はたまっていきません。基本的に営業代行は営業手法などの情報を公開していないからです。 そのため、営業のノウハウを社内に浸透させて、自社で営業のスキルをつけていきたい場合には内製化に対応した営業代行を検討しましょう。内製化に協力してくれる営業代行なら、営業のノウハウを社内に浸透させることが可能です。
ポイント③|営業全般を依頼するなら販売代理店
アポ獲得からクロージング、アフターフォローなどの営業業務の全般を依頼するなら、販売代理店を選びましょう。販売代理店ならアポ獲得から販売後のフォローまで対応してくれるため、自社が関わる必要がありません。そのため、代理店があればどんな地域であっても商品やサービスを販売できます。また、人件費や固定費もかからないので、低コストでの事業拡大が可能です。 しかし、自社の販売戦略が整っていないと、販売代理店と契約するのも難しくなってしまいます。そのため、自社で売れる仕組みを作っておくことが重要です。
まとめ
本記事では、営業代行と販売代理店の違いや特徴、メリット・デメリットなどについて解説してきました。営業代行と販売代理店は同じように見えますが、それぞれの仕組みや活用するメリット、依頼できる業務の範囲に大きな違いがあります。どちらを活用するにしても、自社では補うことができない部分を依頼することが多いため、自社のニーズを明確にして、営業代行と販売代理店のどちらがマッチするのかを考えたうえで検討してみてください。
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