- せっかく求人広告費をかけて採用したのに、半年もしないうちに辞めてしまった
- 募集をかけても、そもそも応募が来ない
スーパーや飲食店、小売業の採用担当者なら、一度は感じたことのある悩みではないでしょうか。 実は今、こうした悩みを抱える企業のあいだで、新たな採用の選択肢として注目されているのが「アルムナイ採用」です。一度退職した人材をあらためて仲間として迎え入れる仕組みで、正社員に限らずアルバイト・パート領域にも急速に広がりつつあります。 本記事では最新の調査データをもとに、なぜ今アルムナイ採用が注目されているのか、企業がどう向き合うべきかを解説します。
💡 この記事でわかること
- 1. 「募集しても人が集まらない」が企業の悩みに
- 2. 実は「辞めた人材」を再雇用する動きが広がっている
- 3. 正社員領域でも「出戻り」はもう珍しくない
- 4. なぜアルムナイ再雇用が人手不足の切り札になり得るのか
- 5. 「一度雇用した人材」を仕組みで活かす、りぴすけという選択肢
- 5.1 りぴすけとは何か
- 5.2 どんな人材を「自社の戦力」として残せるのか
- 5.3 属人運用ではなく、「仕組み」で回す
- 5.4 企業側で期待できること
- 5.5 導入を検討するときの進め方
- 6. アルムナイ採用を機能させるために、企業がまず取り組むべきこと
- 6.1 退職時の対応を「終わり」にしない
- 6.2 既存スタッフの処遇・働きやすさとセットで設計する
- 6.3 再雇用時の不安を先回りして解消する
- まとめ:まずは自社の「アルムナイ」を洗い出すことから
- 出典・参考資料一覧
1. 「募集しても人が集まらない」が企業の悩みに
マイナビキャリアリサーチLabが2025年12月に実施した「アルバイト採用活動に関する企業調査 2025年」(有効回答数1,500名、2026年2月24日公開)によると、2025年のアルバイト人手不足感は57.5%と、依然として過半数の企業が人手不足を感じています。とくに「販売・接客(その他)」「製造ライン・加工(メーカー)」では、不足感が前年比で+10ポイント以上と大幅に悪化しました。
さらに深刻なのは、採用の「量」です。同調査では、2025年の年間採用目標人数が平均34.5人だったのに対し、実際の採用人数は平均22.3人にとどまり、達成率は64.6%と過去4年間で最も低い水準になりました。採用費についても「厳しくなった」と回答した企業が47.0%と過去5年で最高を記録し、2026年の見通しでも52.8%の企業が「さらに厳しくなる」と回答しています。求人を出しても計画通りに人が集まらない——これが今、多くの現場が直面している共通の壁です。
出典:マイナビキャリアリサーチLab「アルバイト採用活動に関する企業調査 2025年」(公開日:2026.02.24 )
2. 実は「辞めた人材」を再雇用する動きが広がっている
こうした状況のなか、企業が試行錯誤の末にたどり着いた選択肢のひとつが「アルムナイ採用」です。マイナビキャリアリサーチLabが2024年1月・6月に実施した「中途採用・転職活動の定点調査」をもとにまとめたコラム「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」(公開日:2024.08.26、最終更新:2025.08.12)によると、企業の中途採用担当者のアルムナイ採用実施率は40.9%。従業員数が多いほど実施率は高い傾向にあり、従業員301名以上の企業では半数以上がすでにアルムナイ採用を実施しています。
個人側の意識にも変化が見られます。同コラムによれば、転職経験者のうち「過去退職した会社に戻りたいと思ったことがある」人は32.9%と、約3人に1人にのぼりました。実際に出戻り転職をした経験がある人は12.3%(20代では14.8%)とまだ多数派ではないものの、退職した会社の人と頻繁に連絡を取っている人ほど「戻りたい」と思ったことがある割合は6割以上に達するというデータもあります。退職後も関係を保てるかどうかが、「戻りやすさ」を大きく左右していることがうかがえます。 出戻り転職をした理由としては「会社に知り合いがいて働きやすい」「即戦力として活躍できる」「以前退職した会社の問題点が現在は解消されている」が上位に並びました。退職=縁が切れる、と割り切れる時代ではなくなってきているのです。
出典:マイナビキャリアリサーチLab「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」公開日:2024.08.26(最終更新:2025.08.12)
3. 正社員領域でも「出戻り」はもう珍しくない
アルムナイ採用の広がりは、中途採用領域に限った話ではありません。パーソルイノベーション株式会社が運営する副業マッチングサービス「lotsful」が2025年4月に実施した調査(全国の会社員660人対象、2025年5月29日発表)では、退職した企業に再入社した経験が「ある」と回答した人は51.8%と過半数に達しました。
とくに注目したいのが、勤続年数による違いです。新卒入社後3〜5年未満で退職した人の再入社率は80.6%と非常に高く、中途入社者の再入社率30.0%を大きく上回りました。若手のうちに一度離れた人材ほど、実は「また戻りたい」という意向が強いという結果です。また、アルムナイ制度を整備している企業では、退職者のうち81.4%が再入社を経験しており、全体平均の51.8%を大きく上回っています。制度の有無そのものが「戻りやすさ」を左右しているといえるでしょう。
出典:パーソルイノベーション株式会社「"アルムナイ副業"や退職企業への再入社の実態を公開!」2025.05.29
4. なぜアルムナイ再雇用が人手不足の切り札になり得るのか
アルムナイ採用が注目される理由は、単に「募集の母数が増える」からだけではありません。前述の「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」では、アルムナイ採用を実施している中途採用担当者に「やってよかったこと」を聞いたところ、「即戦力として活躍してくれたこと」がもっとも多く、次いで「採用・育成コストを削減できたこと」「自社外で身につけたスキルを還元してくれたこと」が続きました。数的な人材不足の解消を挙げる回答も上位に入っており、アルムナイ採用が即戦力確保と人手不足解消の両方に効いている実態がうかがえます。
採用のしやすさもポイントです。同調査では、アルムナイ採用のハードルについて「通常選考と比較して低い」と回答した割合が54.5%と過半数を占め、実際の採用率も「7割以上」と回答した企業が45.7%にのぼりました。一からの選考に比べて、確実性の高い採用チャネルになっていることがわかります。 一方で課題もあります。アルムナイ採用を実施している企業・検討している企業のいずれにおいても、もっとも多く挙げられた課題は「既存社員との処遇差に対する不満の発生」でした。再雇用した人材だけを優遇するような制度設計は、かえって既存スタッフの不満を招きかねません。アルムナイ採用は、既存スタッフの処遇や働きやすさとセットで設計する必要があるということです。
5. 「一度雇用した人材」を仕組みで活かす、りぴすけという選択肢
とはいえ、「アルムナイ採用をやりたい」と思っても、退職者への連絡先管理や再雇用の声かけを、現場の担当者が属人的に行うのは現実的ではありません。名簿をExcelで管理し、繁忙期のたびに個別連絡する——そうした運用は、店舗数が増えるほど破綻しやすく、担当者の異動や退職でノウハウごと途切れてしまいます。 そこで参考になるのが、独自Pay(ハウス電子マネー)事業などを展開する株式会社バリューデザインが提供する人材プラットフォーム「りぴすけ」です。
5.1 りぴすけとは何か
りぴすけは、企業が過去に雇用した人材との関係を、入社時・退職時の登録だけで維持できる自社専用の人材プール構築プラットフォームです。同社はアルムナイ人材を「長期・短期にかかわらず、その企業・お店で働いたことがある人材」と定義しており、「辞めたら関係が途切れる」一過性の雇用から、「辞めても繋がり続ける」循環型の雇用モデルへの転換を掲げています。 ターゲットは、スーパーや飲食店、小売業など、アルバイト・パートの人手不足と採用コスト増に悩む現場です。新規の求人広告や外部のスキマバイトサービスだけで穴を埋め続けるのではなく、一度でも自社を知っている人材を、必要なときに呼び戻せる状態をつくる——それがりぴすけの基本コンセプトです。
5.2 どんな人材を「自社の戦力」として残せるのか
ポイントは、対象がいわゆる正社員の「出戻り」に限らないことです。りぴすけでは、たとえば次のような人材を自社プールに蓄積していく発想が取られています。
- 長く勤めたパート・アルバイトのOB/OG
- スキマバイトとして短期間だけ勤務した人材
- 他社のスキマバイトサービス経由で来店し、現場が「また来てほしい」と感じたワーカー
長く勤めた人だけでなく、一度でも現場を経験したことがある人を「知っている顔」として再活用できる仕組みは、スポットワークが一般化した今の労働市場にフィットしています。外部のマッチングサービスでは毎回「初対面のワーカー」が来ることも少なくありませんが、自社プールであれば、お店のオペレーションをある程度理解した人材に声をかけられる可能性が高まります。
5.3 属人運用ではなく、「仕組み」で回す
アルムナイ採用の難しさは、「誰に・いつ・どう声をかけるか」が現場任せになりやすい点にあります。りぴすけは、このプロセスをプラットフォーム上で回すことを前提に設計されています。
- 登録で関係をつなぎ止める 入社時や退職時、あるいは勤務後にワーカーを自社プールへ登録。連絡先や勤務履歴が担当者個人のメモに散らばる状態を防ぎます。
- 必要なタイミングで求人を届けられる 人手不足の日や時間帯に、プール内の人材へ求人を出し、応募・マッチングにつなげます。ゼロから母集団を集め直すのではなく、「すでに接点のある人材」にリーチできるのが強みです。
- 再活用を前提にした循環をつくる 一度きりの勤務で終わらせず、また働きに戻れる導線を残すことで、採用コストや教育コストの抑制、現場品質の維持につなげる狙いがあります。
外部のスキマバイトサービスを使い続けると、「人が来ること」はできても、毎回の手数料負担やワーカーの質のばらつき、長期採用への転換の難しさといった課題が残りがちです。りぴすけは、そうした課題に対して「お店が認めた人材だけを自社プールに残し、再活用する」という別の打ち手を提示するサービスだといえます。
5.4 企業側で期待できること
前述の調査でも、アルムナイ採用のメリットとして「即戦力」「採用・育成コストの削減」「人手不足の解消」が挙がっていました。りぴすけのような仕組みを使うと、そのメリットを現場レベルで再現しやすくなります。
- 採用コストの抑制:毎回ゼロから求人広告や外部マッチングに頼らず、既存接点のある人材へ声をかけられる
- 教育・立ち上がりコストの低減:一度現場を経験した人材なら、オペレーションの説明や教育の負荷を抑えやすい
- サービスの質の維持:「誰でもいいから埋める」のではなく、お店を知っている人材を優先して配置しやすくなる
- 属人化の解消:店長や採用担当者の個人ネットワークに依存せず、組織としてアルムナイを管理できる
もちろん、ツールを入れただけで自動的に人が戻ってくるわけではありません。第6章で述べるように、退職時の送り出し方や既存スタッフとの処遇設計とセットで考える必要があります。ただ、「戻りたい気持ちはあるのに、声のかけ先がない」「連絡先が残っていない」という機会損失を減らす基盤としては、専用プラットフォームの価値は大きいでしょう。
5.5 導入を検討するときの進め方
りぴすけの詳細は、サービス提供元であるバリューデザインへの資料請求・問い合わせを通じて確認できます。導入を検討する際は、次のような観点を整理しておくと、相談が具体的になります。
- 自社にとってのアルムナイは誰か(正社員/パート/スキマバイト経験者のどこまでを含めるか)
- 登録のタイミングをどこに置くか(入社時・退職時・スポット勤務後など)
- 既存の求人媒体やスキマバイトサービスと、どう役割分担するか
- 店舗単位の運用か、本部主導の運用か
自社の勤務形態や既存の採用フローとどう組み合わせるかは企業ごとに異なります。公式窓口に相談しながら、まずは「自社のアルムナイを見える化し、必要なときに声をかけられる状態」をつくるところから設計を進めるのが現実的です。
6. アルムナイ採用を機能させるために、企業がまず取り組むべきこと
アルムナイ採用は、「思い出したら声をかける」だけでは機能しません。仕組みとして回すには、いくつかの土台づくりが欠かせません。
6.1 退職時の対応を「終わり」にしない
退職を単なる手続きの終わりとして扱うのではなく、円満な形で送り出すことが最初のステップです。前述の調査でも、退職した会社の人と頻繁に連絡を取っている人ほど「戻りたい」と思ったことがある割合が高いという結果が出ています。本人の同意を得たうえで、退職後もゆるやかにつながりを保てる仕組み(案内メールや年に数回の近況確認など)を用意しておくことが、将来の再雇用につながります。
6.2 既存スタッフの処遇・働きやすさとセットで設計する
アルムナイ採用の最大の課題は「既存社員との処遇差に対する不満」でした。再雇用した人材だけを優遇するのではなく、既存スタッフの待遇や働きやすさの底上げとあわせて制度を設計することで、社内の不公平感を防ぎながらアルムナイ採用を機能させられます。
6.3 再雇用時の不安を先回りして解消する
出戻り転職の経験者・検討者は「以前と会社の環境が変わっていること」「以前起きていた問題が再度起こること」「受け入れてくれる環境かどうかわからないこと」に不安を感じる傾向があります。再雇用の声かけをする際は、制度や職場の変化を具体的に伝え、「戻ってきても大丈夫」という安心感を示すことが、声かけの効果を左右します。
出典:マイナビキャリアリサーチLab「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」
まとめ:まずは自社の「アルムナイ」を洗い出すことから
人手不足が常態化するなかで、新規採用だけに頼る採用活動には限界が見えてきています。今回紹介したデータが示す通り、企業のアルムナイ採用実施率はすでに40.9%(従業員301名以上では過半数)にのぼり、正社員領域でも「出戻り」はもはや珍しい選択肢ではありません。 まずは自社にとっての第一歩として、過去に在籍していた人材のリストアップと、円満退職の仕組みづくりから着手してみてはいかがでしょうか。その上で、りぴすけのような専用プラットフォームの活用も選択肢に入れつつ、自社に合った「循環型雇用」の形を検討していくことをおすすめします。
※本記事内の数値は各調査発表時点のものです。最新情報は各出典元の公式サイトでご確認ください。
出典・参考資料一覧
- マイナビキャリアリサーチLab「アルバイト採用活動に関する企業調査 2025年」公開日:2026.02.24
- マイナビキャリアリサーチLab「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」公開日:2024.08.26(最終更新:2025.08.12、元データ:2024年1月度・6月度「中途採用・転職活動の定点調査」)
- パーソルイノベーション株式会社「"アルムナイ副業"や退職企業への再入社の実態を公開!」2025.05.29
- 株式会社バリューデザイン「りぴすけ」サービスサイト
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