スポットワーク仲介アプリ「タイミー」は、2025年9月1日から企業都合による就業直前キャンセル(開始24時間前以内)を原則不可とし、該当ケースでは休業手当を支払う新制度を導入します。本記事では、新制度導入の背景と変更後のフローに関して解説します。
💡 この記事でわかること
- 1. 制度導入の背景と経緯
- 1.1 トラブル増加と業界要請
- 1.2 サービス運営方針の変更
- 2. 制度概要と適用範囲
- 2.1 企業側キャンセルの原則不可
- 2.2 休業手当支払い要件と例外
- 3. 判断基準と対応フロー
- 3.1 企業側キャンセルの判断ポイント
- 3.2 キャンセル手続きフロー
- 3.2.1 24時間以上前の場合
- 3.2.2 24時間以内の場合
- 4. 休業手当の算定基準・支払い方法
- 5. 法令対応と事前準備
- 5.1 就業規則・約款の見直し
- 5.2 社内体制と周知徹底
- 参考|無料でシンプルな給与前払いサービス「パルケタイム」
- 6. まとめ
1. 制度導入の背景と経緯
1.1 トラブル増加と業界要請
これまでタイミーでは、ワーカーが現地でQRコードを読み取ってチェックインした時点で労働契約が成立し、事業者側の直前キャンセルも技術的には可能でした。しかし、直前キャンセルによるトラブルや賃金未払いの相談が労働局・労基署に相次ぎ、改善要請が高まりました。特に厚生労働省は「応募時点で労働契約が成立する」とするリーフレットを公表し、労務管理強化を求めています。
参考|厚生労働省
1.2 サービス運営方針の変更
タイミーを運営するTimee社は、スポットワーク協会や厚生労働省との対話を踏まえ、業界の持続的発展と働き手保護の観点から、2025年9月1日よりサービス運営方針を変更すると発表しました。働き手が応募完了と同時に契約が成立する仕組みへ改め、企業側キャンセルの制限を強化します。
参考|Timee_サービス運営方針変更のお知らせ
2. 制度概要と適用範囲
2.1 企業側キャンセルの原則不可
2025年9月1日以降、企業都合によるキャンセルは「原則不可」となります。万が一、勤務開始予定時刻の24時間前を過ぎてからキャンセルする場合は、休業手当の支払い義務が発生します。
2.2 休業手当支払い要件と例外
- 支払い対象:開始24時間前以降の企業都合キャンセル
- 支払い義務:使用者の責めに帰すべき事由による休業のため、休業手当を支払う
- 例外ケース:自然災害による営業中止やワーカーの資格・条件未達(募集要件不一致)など
3. 判断基準と対応フロー
3.1 企業側キャンセルの判断ポイント
キャンセル前の判断では、以下の観点を重視しましょう。
- 連絡のタイミング:ワーカーからの連絡が業務開始直前か否か
- 理由の正当性:医療機関の診断など客観的裏付けの有無
- 業務全体への影響:他のワーカーや現場運営への支障度合い
3.2 キャンセル手続きフロー
3.2.1 24時間以上前の場合
- 管理画面の「求人一覧」で該当求人を選択
- ワーカー名横の[キャンセル依頼]をクリックし、理由を登録
- 自動通知でワーカーに案内(休業手当義務なし)
3.2.2 24時間以内の場合
- 管理画面内での操作不可のため、タイミー事業者サポートへ連絡
- キャンセル理由を伝え、休業手当(交通費含む)の支払い依頼
- タイミー側の決済スケジュールに従い精算を実施
- SMS・アプリ通知でワーカーへ補償内容を案内
4. 休業手当の算定基準・支払い方法
休業手当は労働基準法第26条に基づき、使用者の責めに帰すべき事由で休業させた場合、平均賃金の60%以上を支払う必要があります。平均賃金は休業初日の前3ヶ月間の賃金総額÷総日数で算出します。
5. 法令対応と事前準備
5.1 就業規則・約款の見直し
- 休業手当の支払い基準を就業規則へ明記
- タイミー利用規約との整合性を社内ガイドラインで共有
5.2 社内体制と周知徹底
- 人事・総務担当者への制度説明・トレーニング
- キャンセル受付窓口と連絡フローを明確化
- 求人票に「企業都合キャンセル時の補償制度」を記載し、ワーカーへの説明責任を果たす
参考|無料でシンプルな給与前払いサービス「パルケタイム」
パルケタイムは給与前払いの福利厚生サービスです。
- 働いた分の給与を好きなタイミングで受け取ることができます
- 企業負担ゼロで最短即日導入できます
- 「日払い」「前払い」をキーワードに訴求し採用力が向上します
6. まとめ
- 開始日:2025年9月1日施行
- 原則:企業都合の直前キャンセルは不可
- 支払い基準:休業手当=平均賃金の60%以上
- 判断ポイント:連絡時刻・理由の正当性・現場影響
- 対応フロー:24時間以上前は管理画面、24時間以内はサポート連絡
- 事前準備:規則見直し・社内周知・求人票への明示
本制度の円滑な運用は、スポットワーク市場全体の信頼向上につながります。事業者の皆さまは、早めの社内準備とワーカーへの丁寧な説明を心がけ、トラブルを未然に防ぎながら制度を適切に運用していきましょう。
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